ハードコンタクトレンズ長期使用者が長期間装用を中止したときの角膜内皮細胞の変化について
Cornea. 1991 Sep;10(5):395-401.
Specular microscopy studies on the corneal endothelium after cessation of contact lens wear.
Sibug ME, Datiles MB 3rd, Kashima K, McCain L, Kracher G.
National Eye Institute Clinical Branch, National Institutes of Health, Bethesda, Maryland 20892.
使用装置:specular microscopy
対象:ハード系コンタクトレンズ使用群(HCLと略。装用歴15年~32年,22症例)と健常対照群(年齢・性をマッチさせたレンズ未使用者22症例)
結果:
両群間での差⇒有意差:有り ■(装用者は内皮細胞に大小不同があり、6角形細胞の比率が減少した) なし □
■ 細胞の大小不同(変動係数 CV,polymegethism) P<0.01
■ 6角形細胞数(hexagonality,pleomorphism) P<0.01
□ 細胞数(細胞密度)
HCL使用群3症例5眼は検査後、HCLの使用を中止(眼鏡に変更)し、60ヶ月間調査。
HCL使用中止後も角膜内皮細胞には有意な変化なし。ただし、HCL中止後最長期間経過をみた症例では、CVのみ減少傾向があった。HCL長期中止後では、角膜内皮の形態変化はゆっくり回復する可能性がある。
訳者注:ヒトの角膜内皮細胞には細胞分裂能はありません(出生後)ので、いろいろな原因による内皮障害の結果、形態変化、細胞数の減少が起こります。HCL長期中止後では形態上可逆的な変化が観察されたようですが、細胞数(角膜全体の絶対数)が増加するということではありません。
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