防腐剤含有、非含有緑内障治療薬の使用による眼症状と眼所見の発生率
Br J Ophthalmol. 2002 Apr;86(4):418-23.
Prevalence of ocular symptoms and signs with preserved and preservative free glaucoma medication.
Pisella PJ, Pouliquen P, Baudouin C.
APHP Ambroise Pare Hospital, University Paris V, Ophthalmology Department, 9, avenue Charles de Gaulle, 92100 Boulogne, France.
目的: 緑内障治療薬に含まれる防腐剤による眼毒性の発生頻度を調べる。
方法: 1999年、249名の眼科医が参加し、4107症例を対象とした前向き疫学調査を行った。眼症状、結膜、角膜、眼瞼について評価した。防腐剤含有点眼液(P) と防腐剤非含有点眼液(PF) の差を χ (カイ)2乗検定法で比較した。
結果: 全患者の内訳は、P 84%, PF 13%, 併用(P&PF) 3% であった。全症状は PF に比べて P 点眼患者で有意に多かった (p <0.001): (訳者注 カッコ内は頻度 P vs PF) 点眼時の不快感 (43% vs 17%), 灼熱感・刺すような痛み (40% vs 22%), 異物感 (31% vs 14%), 乾燥感 (23% vs 14%), 流涙 (21% vs 14%), まぶたのかゆみ (18% vs 10%)。眼所見は P 点眼患者で増加 (2倍以上)した。眼症状、眼所見の頻度は、点眼量に依存する関係があり、点眼薬の数が多いと頻度も増えた。点眼液を P から PF に変更した患者では、眼症状・所見は有意に減少した (p <0.001)。
結論: PF 点眼液を使うと、眼症状と眼所見は少ない。さらに、P 緑内障治療薬で起こった副作用の多くは、防腐剤非含有薬に変更すると可逆性の変化である。
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