開散麻痺に対する外直筋短縮術: 長期経過結果.
J AAPOS. 2005 Feb;9(1):7-11.
Lateral rectus resections in divergence palsy: results of long-term follow-up.
Thacker NM, Velez FG, Bhola R, Britt MT, Rosenbaum AL.
Jules Stein Eye Institute, University of California, Los Angeles, CA, USA.
[要約の邦訳]
序文:外直筋短縮術は、プリズム治療が奏効しない開散麻痺患者に対する手術オプションとして以前から推奨されている。本研究は当施設で実施した外直筋短縮術症例の結果と長期経過をレビューするために行った。
方法: 開散麻痺を伴う 29症例 (年齢 35-83才)の後向き調査である。5例は片眼の外直筋短縮術 (短縮量 4.5mmから 5.5mm, adjustable suture)、24例は両眼の外直筋短縮術 (短縮量 3mmから 7mm)を行った。
結果: 術前には、全症例が遠方視で複視を自覚し、眼球は内転していた。(訳者注: 斜視角 Δは,) 近方 (平均 4.7 +/- 3.5Δ)より遠方 (平均 14.7 +/- 5.1Δ)で大きかった。25症例は以前にプリズム治療を受けていた。術後観察期間は 6ヶ月から 96ヶ月(平均 38.7 +/- 27.3ヶ月)であった。遠方での斜視角(訳者注: 偏位角と同意)は、術後 -0.1 +/- 3.2Δとなり有意に減少した( P < 0.0001) 。近方での斜視角は、術後 -2.2 +/- 3.3Δとなり有意に減少した( P < 0.0001) 。近見時に過矯正となった症例はなかった。2例では、それぞれ 1年後, 4年後に遠見時の術後複視が再発し、プリズム眼鏡と外直筋短縮術の再手術により矯正した。
結論: 開散麻痺患者に対する外直筋短縮術は、近見時の過矯正リスクは最小限であり、長期間にわたり効果的で安定した手術法である。
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