中枢性(ないし大脳性)全色盲(achromatopsia)とは、突然すべての色覚が喪失し、視界がモノクロに見える症状で、大脳後頭葉の障害で発生し、相貌失認(prosopagnosia, 親戚、家族、有名人の顔を見ても誰かわからない)、空間失認(spatial agnosia, たとえば左側にあるものを無視、軽視する)などを伴います。
特殊な「片頭痛」の前兆として一過性の全色盲などを自覚した症例が報告されている。
J Neurol Neurosurg Psychiatry. 1993 Jun;56(6):708-9.
Achromatopsia in the aura of migraine.
Lawden MC, Cleland PG.
Department of Neurology, Newcastle General Hospital, Newcastle-upon-Tyne, UK.
一方、Scarpatettiらは、同名半盲、知覚運動不全麻痺の発症翌日に、視覚障害、さらに全色盲、相貌失認、空間失認、同名上方半盲を来たし、半年後も改善しなかった症例(65歳)を報告した。両側大脳後頭葉の梗塞で、左側が強く、下部後方に病巣は拡大した。うっ血性心筋症、心房細動のため椎骨脳底動脈循環不全を来たし、脳梗塞を発症したものと考えられる。
Klin Monatsbl Augenheilkd. 1983 Aug;183(2):132-5.
[Centrally caused achromatopsia]
Scarpatetti A, Ketz E, Jung W.
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