遺伝子RLBP1 に R150Q変異を有する家系における眼底白点症および白点状網膜炎
病名と略称 ⇒ 眼底白点症 (fundus albipunctatus FA), 白点状網膜炎 (retinitis punctata albescens RPA)
Clin Genet. 2001 Jun;59(6):424-9.
Fundus albipunctatus and retinitis punctata albescens in a pedigree with an R150Q mutation in RLBP1.
Katsanis N, Shroyer NF, Lewis RA, Cavender JC, Al-Rajhi AA, Jabak M, Lupski JR.
Department of Molecular and Human Genetics, Baylor College of Medicine, One Baylor Plaza, Houston TX 77030, USA.
眼底白点症は、まれな先天性停止性夜盲疾患で、眼底には無数の対称的な円形白色斑がみられることが特徴です。斑点は網膜中間周辺部に最も高密度で存在します。
白点状網膜炎は、前者とは全く異なる疾患です。不整形の白い斑点が集合し、病気は進行し、網膜全体の萎縮を来たします。
サウジアラビア出身者でFAと診断された血族結婚の親族4家系を調査した。
1家系(KKESH-099)では、遺伝子 RLBP1にホモ接合体 R150Q変異 を検出した。遺伝子 RLBP1とは常染色体劣性遺伝の網膜色素変性症やRPAに関連したcellular retinaldehyde binding proteinをエンコードする遺伝子である。
3歳から20歳の数名について9年過ぎて検査しても、網膜色素変性症や RPA に変化していなかった。しかし、変異遺伝子 R150Q を有していた数名は40歳代、50歳代でRPAを呈していた。これらのデータから遺伝子 RLBP1にR150Q変異がみられると、ゆっくり進行する白点状網膜炎 (RPA)になることが示唆された。また、より重要なことは、より軽症で停止性のFAと診断された若年者は、より進行しやすい重症表現型となるかもしれない。
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