眼科外来で処方のために装着するソフトコンタクトレンズ(トライアルレンズ)は、保存期間が長くなったり、化学消毒法で保存されていると細菌による汚染率が高くなるようである。
Optom Vis Sci. 1992 Sep;69(9):678-84.
Effect of storage time with different lens care systems on in-office hydrogel trial lens disinfection efficacy: a multi-center study.
Callender MG, Charles AM, Chalmers RL.
School of Optometry, University of Waterloo, Ontario, Canada.
院内トライアルレンズ(ハイドロゲル製)を対象として、各社レンズ消毒液の効果を比較検討した。トライアルレンズ数221枚、レンズ消毒液4種、参加施設数7施設。
細菌汚染の程度はレンズ保存期間に関係した。防腐剤含有の生理食塩水(SoftWear Saline®)に漬けて煮沸消毒すると、細菌汚染はみられなかった。 防腐剤を含まない生理食塩水(LensPlus Saline®)に漬けて煮沸消毒すると、8.7%で細菌が検出された。化学消毒法後の汚染率は、13.6%(レニュー ReNu®)、40.7% (オプティフリー OptiFree®)であった。汚染の程度は細菌コロニー数で90 CFU(colony forming units)/mlから 1000万 CFU/mlであった。検出された細菌は、Alcaligenes xylosoxidans, Serratia marcescens, Moraxella phenylpyruvica, Enterobacter agglomerans, Pseudomonas stutzeri, 他グラム陽性菌数種であった。
病院、医院の外来で装用するトライアルレンズは、患者への細菌感染を予防するために少なくとも月一回の消毒が必要である。
最近のコメント