国内でよく用いる病名「再発性角膜上皮剥離」は外国文献では、"再発性びらん recurrent erosion"となります。本疾患(厳密には、症候群)の一般的な治療法は、
http://cgi12.plala.or.jp/yamamura/topics/index.cgi?page=37
をご一読下さい。手術による治療法として、角膜表層穿刺 (anterior stromal puncture ASP)の他、治療的角膜切除術 (phototherapeutic keratectomy PTK) が知られています。
以下はエキシマレーザーによるPTKを再発性角膜上皮剥離(外傷後)に応用した論文の要約です(医学論文データーベース MEDLINE 検索では最初の報告です)。
Refract Corneal Surg. 1993 Mar-Apr;9(2 Suppl):S85-90.
Phototherapeutic keratectomy in corneal diseases.
Forster W, Grewe S, Atzler U, Lunecke C, Busse H.
University Eye Hospital Munster, Germany.
エキシマレーザーを用いて角膜疾患を治療する著者らの臨床的戦術を紹介する。外傷後の再発性びらん 9眼、帯状角膜変性症 3眼、穿孔性眼外傷後に癒着性角膜白斑と続発性結晶沈着を来たした1眼に対して、エキシマレーザーによる治療的角膜切除術を行った。再発性びらんの症例は、12ヶ月以内に少なくとも6回のエピソードがあり、他の症例は激しい眼痛を伴っていた。
再発性びらんに対して、角膜上皮剥離後に 15パルス を照射した (エキシマレーザーの条件 193 nm, 180 mJ/cm2, 10 Hz) 。レーザー治療後のケアなどを遵守できなかった1症例において、6ヶ月以内に1回のみ再発が見られた。
帯状角膜変性症の症例では、カルシウム沈着物を機械的に除去し、平滑な表面を得るために薬液 (masking fluid) を使用した。癒着性角膜白斑を伴った症例では、結晶沈着を除去し得たが、4ヶ月後に再発し、グレアーを自覚し続けた。
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