強膜エクソプラントの除去術について:過去10年間
Eye. 2003 Aug;17(6):697-700.
Scleral explant removal: the last decade.
Deokule S, Reginald A, Callear A.
Birmingham and Midland Eye Centre Dudley Road Birmingham, UK.
目的:過去10年間における強膜エクソプラント除去術の理由と結果について調査する。
方法:1990年1月から1999年12月までの10年間に手術室にて強膜エクソプラント除去術を受けた症例について、年齢、性別、除去の理由、初回手術から摘出術までの期間、エクソプラントの素材、症状改善度、再剥離を含む術前・術後の網膜の状態、再剥離の原因、経過観察期間などを診療録上で調査し、Mann-Whitney U 検定, Fisher 正確確率検定により統計解析を行った。
結果:72症例が選択された。平均年齢 54.1才(標準偏差17.0才、17-84才)であった。エクソプラント留置期間は平均 50.1年 (1ヶ月-282ヶ月)、観察期間は平均 18.3ヶ月 (4-120ヶ月)であった。51症例 (70.8%) はシリコンスポンジ製、13症例 (18%) は固形タイプのシリコンであった。8症例 (11.1%)では両素材が用いられていた。除去の最大の理由は、エクソプラントの突出・露出(n=34, 47.2%)、眼痛(n=29, 40.2%)であった。自覚症状は88%の症例で改善した。6例 (8.3%)は除去後に網膜の再剥離を来たした。除去の理由や留置期間と網膜再剥離の発生との関連性はなかった。6例中5例では除去術後6ヶ月以内に再剥離を来たした (P<0.01)。
結論:強膜エクソプラントの除去術により、多くの症例で自覚症状は改善するが、少数例では、特に除去後6ヶ月以内に再剥離を来たすリスクがある。
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