帯状疱疹後神経痛の頻度とリスク因子
Fam Pract. 2002 Oct;19(5):471-5.
Herpes zoster and postherpetic neuralgia: incidence and risk indicators using a general practice research database.
Opstelten W, Mauritz JW, de Wit NJ, van Wijck AJ, Stalman WA, van Essen GA.
Julius Center for General Practice and Patient Oriented Research, University Medical Center Utrecht, PO Box 85060, 3500 AB Utrecht, The Netherlands.
帯状疱疹後神経痛(postherpetic neuralgia, PHN)は、帯状疱疹(HZ)の合併症の1つで、よくみられます。長期間持続する激しい疼痛に対する治療成績はしばしば失望的なものです。早期治療や予防の観点から、PHNを合併しやすい症例を特定することは大事です。22の医療機関が参加した5年以上に及ぶ医療データベースを利用し、多重ロジスティック回帰分析を行いました。帯状疱疹は837症例で、年間1,000人あたり3.4人が発病しました[95%信頼区間(CI) 2.9-3.9]。HZの皮疹を自覚し1ヶ月後にPHNを合併するリスクは 6.5% [95%CI 4.9-8.3]。患者年齢55歳以上では11.7% [95%CI 8.5-14.9]でした。また、PHNの独立したリスク因子は年齢 55-74才 [調整オッズ比(OR) 4.2, 95%CI 1.8-9.7] 75才以上 [OR 10.7, 95%CI 4.6-25.1] 眼部帯状疱疹 [OR 2.3, 95%CI 1.0-4.6] でした。結論:PHN合併のリスクは患者年齢とともに増加する。予防戦略として、年齢 55才以上、眼部病変の患者に焦点を当てるべきである。
注:オッズ比は相対危険度と相関し、数値が大きいとその事象が起きやすいことを示します。
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