「さかまつげ」は睫毛内反、眼瞼内反ともいいますが、眼瞼贅皮(がんけんぜいひ Epiblepharon)という医学用語を(日本の眼科医は)使用することが少ないようです。
実は、小児のさかまつげの大部分は「眼瞼贅皮(がんけんぜいひ)」という状態のことです。
まつげが眼表面に触れるため、目の刺激症状が現れます。特に、いろいろな角膜障害を伴った状態では、定期的な通院が大切で、角膜炎を来たしたときは早急な治療が必要です。
■ 眼瞼贅皮(がんけんぜいひ)
まぶたを覆っている皮膚および筋肉(瞼板とよばれる硬い組織の上にあるまぶたを閉じる筋肉 "眼輪筋")がまぶたの縁に覆い被さるため、まつげは垂直方向ないし内側に向くように押されます。
まぶたの縁は正常位置にあります。この状態は、下まぶたに見られることがほとんどです。また、アジア人によく見られます。先天性睫毛内反症と比較すると、眼瞼贅皮は体の成長とともに目鼻立ちが変化すると、通常、自然に治ります。
注:皮膚および筋肉を「眼瞼前葉」ともいいます。
■ 先天性睫毛内反症
まぶたの"眼瞼レトラクター"(まぶたの深部にあり、組織構造上、まぶたを下げる作用を有する腱組織)に生まれつきの形成異常があり、組織が脆弱であったり、断裂、し開するため、まぶたの位置が不安定になったり、眼瞼後葉(瞼板、眼瞼結膜)が垂直方向になる状態です。非常にまれな病気で、通常、下まぶたが「さかまつげ」となります。
注:し(口+多)開とは組織が開いてしまう状態のこと、断裂とほぼ同意。
■ 先天的な解剖構造上の瞼板異常のため、瞼板が彎曲し、上まぶたが"さかまつげ"となる病気(tarsal kink syndrome)。
credits (出典):
http://www.emedicine.com/oph/topic212.htm
など
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