小脳橋角部の聴神経腫瘍による三叉神経痛
J Orofac Pain. 2000 Spring;14(2):147-51.
Trigeminal neuralgia due to an acoustic neuroma in the cerebellopontine angle.
Matsuka Y, Fort ET, Merrill RL.
Division of Oral Biology and Medicine, UCLA School of Dentistry, Los Angeles, California, USA.
この症例報告は 三叉神経痛 (TN) の症状を伴う頭蓋内腫瘍についての最初のレビューです。TN 様の症状を呈する患者のうち、6% から 16% は脳腫瘍を有する ことが報告されています。TN 様の症状を来たす最もよく見られる小脳橋角(CPA)部腫瘍は、聴神経腫瘍 acoustic neuroma とよばれる良性腫瘍です。報告された聴神経腫瘍の臨床症状は、聴力低下 (60 から 97%), 耳鳴り (50 から 66%), 前庭機能障害 (46 から 59%), 顔面のしびれ感やひりひり感 (33%), 頭痛 (19 から 29%), 非回転性のめまい (23%), 顔面麻痺 (17%), 三叉神経障害[知覚過敏, 異常知覚, 神経痛] (12 から 45%) です。エンハンス効果のあるガドリニウム注射液を利用したMRI検査、造影剤を使用したCT検査をそれぞれ行うと、頭蓋内腫瘍の検出率 (92 から 93%)については優れた成績が報告されています。本論文では、CPA部に聴神経腫瘍が発見されるまで、側頭下顎疾患 temporomandibular disorder との誤った診断で治療を受けていた、まれな一症例 (若年女性例)を報告します。
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