随意眼振 voluntary nystagmus は 小刻みに耳を動かす方法と多くの点で共通し、一部の人ができることです。細かな、早い、水平方向の眼球運動で、自主的に始めたり、短時間ならば続けることができます。
典拠: http://www.wtnzfox43.com/global/story.asp?s=1230703
「随意眼振」は、「動揺視」を来たす原因の1つで、非器質的で良性のものです。
また、めまいの中に、スーパーマーケットの中に入ったとき、車の往来を見ているときに非回転性のめまいを感じる「視覚性めまい」というものがあります。
視覚性めまいや「随意眼振」以外の動揺視は、その原因として脳幹部、小脳、前庭神経などの障害が指摘されていますので、専門医の診察をお受け下さい。
視覚とめまい: 前庭疾患の視覚的側面
J Neurol. 2004 Apr;251(4):381-7.
Vision and vertigo: some visual aspects of vestibular disorders.
Bronstein AM.
Academic Department of Neuro-Otology, Division of Neuroscience and Psychological Medicine, Imperial College London, Charing Cross Hospital, London W6 8RF, UK.
[要約の邦訳]
本レビューのテーマは2つの症候群, 動揺視 oscillopsia と視覚性めまい visual vertigo です。動揺視 oscillopsia は外界が動揺している、ぐらついているような錯覚です。診断目的のために、動揺視はいつ起こりますか? と尋ねます。動揺視が頭 (または全身)を動かしているときだけであれば、両側性の前庭動眼反射 vestibulo-ocular reflex (VOR) の欠損が病因になりやすいです。最も多い原因は、髄膜炎後の前庭障害, ゲンタミシン gentamicinによる耳毒性, 両側性前庭機能不全です。動揺視が特定の頭位で発生するとき、通常、頭位眼振 positional nystagmus によるものであり、一般的に脳幹-小脳疾患の結果です。動揺視が頭の動きとはほとんど関係ないとき、ほぼ一定しているか発作 (paroxysmal) であるか? 尋ねます。動揺視が持続性であれば、通常、臨床上観察可能な眼振が存在することに起因します; 最も多いものは、下向性眼振 downbeat nystagmus ですが、最も視覚に障害を来たすのは 振り子様眼振 pendular nystagmus です。動揺視が短い発作であれば、通常、第 8脳神経と脳幹部の刺激性病変に伴う発作性眼振によるものです。しかし、発作性動揺視 paroxysmal oscillopsia の最も多い原因は、随意眼振 voluntary nystagmus とよばれる非器質的状態によるものです。動揺視の治療として、しばしば薬剤を使用しますが、期待どおりではありません; もっとも奏効しやすいのは、前庭神経/核の構造的病変に続発した発作性疾患に対するカルバマゼピン carbamazepine 投与です。
視覚性めまい visual vertigo は動揺視と混同すべきではありません。視覚性めまいは「大きい (全分野に及ぶ) 反復性ないし移動性視覚パターンがあるビジュアル環境によって誘発される非回転性めまい」と定義されています。視覚性眩暈(めまい) を来たす患者は、スーパーマーケットの中、大きい視覚オブジェクトの動き (たとえば, 群衆, 車の往来, 雲, 枝葉) を見たときに不快になると報告します。末梢性前庭障害の既往歴を有する多くの患者にみられ、特に、(姿勢、空間に関する方位制御のために視覚を優先的に利用している) 視覚依存の人に起こりやすいです。視覚性めまいのある患者に対して、オプティック・フロー (視運動性 optokinetic)刺激の標準的な前庭リハビリテーションと視覚前庭障害 visuo-vestibular conflictの訓練を加えると、利点があります。
目の調節痙攣を伴った随意眼振
Jpn J Ophthalmol. 1999 Jan-Feb;43(1):1-4.
Voluntary nystagmus associated with accommodation spasms.
Sato M, Kurachi T, Arai M, Abel LA.
Department of Ophthalmology, Nagoya University School of Medicine, Japan.
[要約の邦訳]
背景: 随意眼振 voluntary nystagmus は意思によって始めたり、継続したりできる良性の眼振で、振子様、急速、共同性、主に水平方向の眼球運動とされている。
症例: 10才の日本人女子。目の調節痙攣を伴う随意眼振を呈した。
彼女の主症状は、間歇性のかすみ、頭痛、眼痛であり、目の調節痙攣を伴う随意眼振によるものと考えられた。
所見: 眼振の波形は振り子様, 周波数 13-15 Hz, 振幅 3-5 度であった。走査型レーザ検眼鏡によるビデオ画像では、水平性眼球運動に加えて、垂直性、軸転性成分も明らかであった。屈折度は不安定で、-0.5 diopters (D) から -5.5 D の間を変動し、眼振が始まるとアコモドメーターの測定値は -12.0 D まで増加した。
結論: 目の調節痙攣を伴い、水平、垂直、回転性成分からなる随意眼振の特異型の可能性がある。治療や検査は行わず患者の経過を観察中である。
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