潤滑剤 lubricantである ポビドン povidone を含有する点眼液やコンタクトレンズに吸着させた商品などが今後国内でも普及する可能性があります。国内製品の一部では、ヒドロキシプロピル・メチルセルロース(HPMC), ポビドン(povidone) などのルブリカントは「粘稠化剤」と表示されています。また、ポビドン povidoneは合成高分子物質 (ポリビニルピロリドン polyvinylpyrrolidone PVP 平均分子量 25,000) のことです。
エントリー「潤滑剤 ルブリカントと人工涙液型点眼液」
» http://infohitomi.biz/archives/000051.html
エントリー「コンピュータ視覚症候群とドライアイ」
» http://www.qqiac.com/archives/000146.html
もご覧下さい。
コンピュータ視覚症候群 computer visual syndrome を呈するコンタクトレンズ装用者に対する 2%ポビドン防腐剤無添加点眼液の効果: 予備的研究.
Eye Contact Lens. 2004 Jan;30(1):34-9.
Effect of povidone 2% preservative-free eyedrops on contact lens wearers with computer visual syndrome: pilot study.
Guillon M, Maissa C, Pouliquen P, Delval L.
Optometric Technology Group Ltd., 42 Vauxhall Bridge Road, London SW1V 2RX, UK.
[要約の邦訳]
目的: ポビドン 2%防腐剤無添加・潤滑剤点眼液 povidone 2% preservative-free lubricating eyedrops は コンタクトレンズ装用者のコンピュータ視覚症候群 computer visual syndrome を減少させることを提示し、最善の点眼手順を確認すること。
方法: 試験薬には FILMABAK社, CE-MARKED取得 防腐剤無添加潤滑剤 ポビドン povidone 2% 点眼薬 (ABAK™ システム) を用いました。コンタクトレンズを装用しコンピュータを使用している間、3通りの投薬様式を評価しました: 1時間毎点眼, 症状があれば symptom-related 点眼, 患者本人による点眼。
結果: コンピュータを持続的に使用しているとき、ポビドン povidone 2% 使用に伴う諸症状の減少は、統計学的、臨床的に有意でした。しかしながら、諸症状は試験点眼薬を使っても完全に消失しませんでした。3通りの方法は、同様の有益な効果がありました。眼組織に有意な変化は観察されず、コンピュータの持続的使用後に記録した染色所見の程度も低いままでした。また、試験を行った 3通りの防腐剤無添加潤滑剤 2% ポビドン点眼薬の使用法は、どれでも動体視力 dynamic visual acuity に軽度の改善がみられました。
結論: 2% ポビドン防腐剤無添加点眼液を使用すると、コンピュータの持続的使用中にみられる諸症状の改善に結びつきました。3つの点眼方法のどの方法であっても、目の疲労感、乾燥感、目の焦点を合わせることの困難さを減少させました; 角膜表面には変化がないままでした; さらに、動体視力は改善しました。よって、もっとも患者に優しい点眼方法 (患者自身が症状自覚時に点眼する) をコンピュータ視覚症候群を伴うコンタクトレンズレンズ装用者に推奨してもよいと考えます。
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