近視の分類など
出典: » http://health.yahoo.com/ency/healthwise/hw124098/hw124100
近視 Nearsightedness (Myopia) Author: Christopher Hess Medical Review: Adam Husney, MD - Family Medicine Carol L. Karp, MD - Ophthalmology Last Updated: September 4, 2003
(以下は抄訳です)
生理的近視 physiological myopia:
近視のほとんどは、生理的近視です。病気ではなく、正常からの偏差 (ばらつき)と考えられています。
病的近視 pathological myopia 訳者注(1):
眼球の大きさが正常成人サイズとなった後も眼球後部が拡大し続ける近視の稀なタイプ。網膜などの組織に障害が起こります。
続発性近視 secondary myopia:
未熟児、身体や目の病気などによる近視
偽近視 pseudomyopia 訳者注(2):
いくつかの薬剤や病気によって近視状態となったもの。偽近視 pseudomyopia, 一過性近視 transient myopia とよびます。その原因が治療により解決すると、偽近視は消失します。
[訳者注1, 2]
(1) 病的近視 pathological myopiaは、変性近視 degenerative myopia とよばれることもあります。
(2) pseudo-myopia = pseudomyopia, (同意語) 仮性近視 false nearsightedness
調節けいれん accommodation spasm は偽近視の原因の1つです。
調節けいれんの原因は、機能的(非器質的)原因と器質的原因(下記論文など)に分類されます。
頭蓋内圧亢進と松果体嚢胞を伴った 1症例にみられた調節けいれん
Klin Monatsbl Augenheilkd. 2005 Mar;222(3):241-3.
Spasm of accommodation in a patient with increased intracranial pressure and pineal cyst.
Kawasaki A, Borruat FX.
Department of Neuro-Ophthalmology, Hopital Ophtalmique Jules Gonin, Lausanne, Switzerland.
[要約の邦訳]
背景: 神経学的な検査が正常な場合、調節けいれんの原因は非器質的なことが多い。ときに、器質的疾患が関係する。特に、背側中脳 dorsal midbrain と蓋板 quadrigeminal plate に及んだ中心部の病変は、目の調節障害を来たすと記載されている。
病歴と所見: 特発性頭蓋内圧亢進症 (idiopathic intracranial hypertension IIH)を呈した 36才の女性は、調節けいれんによる偽近視のために目のかすみを自覚した。MRI検査にて松果体嚢胞が発見されたが、偶発的な所見であると報告された。患者は内科的な治療にもかかわらず、うっ血乳頭が持続し、調節けいれんによる片眼および両眼のかすみが再発した。
治療と結果: 腰椎腹腔シャント lumboperitoneal shunt により頭蓋内圧 (ICP)は効果的に低下した。その後、頭蓋内圧亢進、調節けいれん、うっ血乳頭に伴う全症状は消失した。調節痙攣の機能的、非器質的原因は疑われなかった。
結論: 著者らの知る限りでは、IIH 患者において調節けいれんが単一の主症状なった初めての報告例である。患者の調節けいれんは ICP降下後に消失した。松果体嚢胞が調節けいれんの引き金して関与したかどうかは推測にとどまる。
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