過去約40年間の PubMed によるオンライン医学文献検索では、キーワード「結膜 ポリープ」でヒットする病名は、インドなどの風土病「リノスポリジウム症」に限られます。
NGO・国際医療ボランティア組織「AMDA」の解説ページ
» http://www.amda.or.jp/contents/database/3-2/_index.html#10
一部引用 "インドなどの熱帯にみられる真菌 Rhinosporidium seeberi 感染症で、鼻粘膜やごく稀に結膜、外耳道、膣、直腸に発症し、病変は肉芽型、パピローマ型、ポリープ型がある。"とのことです。
強膜軟化とぶどう腫形成を伴う結膜リノスポリジウム症: 診断と治療
Cornea. 2000 Jan;19(1):30-3.
Conjunctival rhinosporidiosis associated with scleral melting and staphyloma formation: diagnosis and management.
Castelino AM, Rao SK, Biswas J, Gopal L, Madhavan HN, Kumar SK.
Sankara Nethralaya, Medical Research Foundation, Chennai, Tamil Nadu, India.
[要約の邦訳]
目的: 結膜リノスポリジウム症はインドの風土病であるが、強膜軟化とぶどう腫形成は極めて珍しい。この例外的な所見を呈した 3症例の臨床像と治療について報告する。
方法: 結膜リノスポリジウム症 3例の患者記録の後向きレビュー
結果: 若い健康成人に発症し、全症例で円蓋部結膜に局在していた。病変部結膜には、多数の灰白色の球状体がみられたが、ポリープ様病巣はなかった [but a polyp-like lesion was not present in any patient.]。診断は、臨床像と病変部結膜を擦過する検査結果に基づいた。治療は手術による方法で、感染結膜組織を切除し、同種強膜または自家骨膜によるぶどう腫の修復術を施行した。結膜病理学的に認められた手術不成功 1症例は、ぶどう腫が再発した。
結論: 結膜リノスポリジウム症は、若い健康成人の強膜ぶどう腫と関連性がある。特発性強膜拡張症 idiopathic scleral ectasia と本疾患との鑑別には、結膜リノスポリジウム症の臨床像の知識と臨床上疑いを強く抱くということが必要である。
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