成人の結膜病変. 臨床的および病理組織学的レビュー.
Cornea. 1987;6(2):78-116.
Conjunctival lesions in adults. A clinical and histopathologic review.
Grossniklaus HE, Green WR, Luckenbach M, Chan CC.
[要約の邦訳]
61年間に得られた成人 (15才超)の結膜病変 計 2,455 をレビューし、組織病理学的に 先天性, 後天性上皮性, 後天性上皮下性, 色素性, 炎症性/変性, その他 に分類した。最も多い病変を頻度の多い順に列記すると、翼状片, 母斑, 異形成, 非特異的非肉芽腫性炎症, 上皮性封入嚢胞 であった。
pterygium, nevus, dysplasia, nonspecific nongranulomatous inflammation, and epithelial inclusion cyst
成人で最も多い結膜悪性腫瘍は 扁平上皮癌であり、次いで黒色腫、脂腺癌に伴うパジェトイド(表在拡大)変化であった。
squamous cell carcinoma, followed by melanoma, and pagetoid change associated with sebaceous gland carcinoma
扁平上皮癌は、軽度, 中等度, 高度の異形成の進行期から発生する。これらの腫瘍は潜在的には低悪性度であるが、紡錘細胞 spindle cellおよび粘液性類表皮 mucoepidermoid 型 variantではより悪性となる可能性がある。黒色腫 メラノーマは、母斑または、多くは後天性メラノーシスから新たに de novo 発生し、転移による関連死亡率 14-32% である。脂腺癌は、しばしば初期には臨床的に誤診され、パジェトイド(表在) 拡大により結膜が侵されるが、早期に診断し切除縁の凍結切片のモニター検査を行う切除法であれば転移率と死亡率を低くできる。
関連エントリー:
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「結膜の悪性黒色腫」
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