再発性角膜びらん (recurrent corneal erosion RCE) のエントリーと解説ページ:
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外傷後の再発性角膜びらん: 統計的研究
Ann Ophthalmol. 1985 Sep;17(9):521-2, 524.
Recurrent corneal erosion after trauma: a statistical study.
Weene LE.
[要約の邦訳]
外傷性角膜上皮剥離を呈した 377例の連続症例の記録を調査した。29症例 (7.69%)は再発性角膜びらんのエピソードを少なくとも1回経験していた。20才未満の患者では再発はなかった (P<0.01)。初発部の上皮剥離の大きさと再発率とは関連性がなかった。ペーパー、指の爪、低木と枝による外傷は他のすべての物質に比べて、4.9倍再発しやすかった (P<0.001)。
Eye. 2005 Jul 15;
Pathogenesis, clinical features and management of recurrent corneal erosions.
Ramamurthi S, Rahman MQ, Dutton GN, Ramaesh K.
1Tennent Institute of Ophthalmology, Gartnavel General Hospital, Glasgow, UK.
[要約の一部邦訳]
<上略>大多数の再発性角膜びらん (RCE)患者は、外傷が誘因となります。角膜上皮, 角膜実質, 角膜内皮のジストロフィがRCEに関連するといわれています。RCEを来たす可能性のある他の原因として、化学的外傷および熱外傷, ヘルペス性角膜炎の既往, マイボーム腺機能障害, 眼部の酒さ rosacea, 糖尿病, ザルツマン結節状変性症 Salzmann's nodular degeneration, 帯状角膜症, 細菌性角膜潰瘍の既往, 乾性角結膜炎, 表皮水疱症 epidermolysis bullosa があります。<中略>(治療法として)
長期間のコンタクトレンズ装用
自家血清点眼液
ボツリヌス毒素 (眼瞼下垂の効果を利用)
マトリクス・メタロプロテイナーゼ MMP (matrix metalloproteinase) 阻害剤内服薬
ダイヤモンド・バーによるボーマン膜 Bowman's membrane の研磨
これら治療法の成功率はさまざまです。
角膜表層穿刺 (Anterior stromal puncture): インシュリン針または NdYAGレーザーを使用。RCE 難治例での成功率 80%までの報告あり。
エキシマー・レーザー治療的角膜切除術 (photo-therapeutic keratectomy PTK): 安全で有効な方法です。
<下略> Eye advance online publication, 15 July 2005; doi:10.1038/sj.eye.6702005.
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