屈折矯正手術後にセカンドオピニオンを求められた米国の有名な医療機関の調査報告です。屈折矯正手術後に発生した合併症のため不満を有する症例に対して、ウエーブフロント・レーシック LASIK手術によるカスタマイズした再手術 wavefront-guided customized retreatment を含む技術進歩を待つことも治療選択の1つとなります。
屈折矯正手術の後にコンサルテーションを求める不満患者の合併症と推奨治療法の調査
J Cataract Refract Surg. 2004 Sep;30(9):1867-74.
Survey of complications and recommendations for management in dissatisfied patients seeking a consultation after refractive surgery.
Jabbur NS, Sakatani K, O'Brien TP.
Refractive Eye Surgery Service, The Wilmer Eye Institute, The Johns Hopkins University School of Medicine, Baltimore, MD 21093, USA.
[要約の邦訳]
目的: 他の施設で行われた屈折矯正手術の後、コンサルテーションを求める不満患者の合併症と治療オプションをレビューする。
場所: Refractive Eye Surgery Center, The Wilmer Institute, Lutherville, Maryland, USA.
方法: 後向きレビューの本調査では、他施設で行われた屈折矯正手術の後、1999年6月から2003年1月までの期間に屈折矯正のコンサルテーションを求めた不満を有する連続症例の診療録を調査し、以下のパラメーターを解析した: 視力 (裸眼視力および眼鏡による最高矯正視力), 以前の屈折度, 合併症, 助言推奨内容。自覚症状, 合併症, 視力についてレビューし、関連した視覚リスク因子とともに治療オプションを解析した。
結果: 眼合併症を有する 101症例 161眼が確認された。134眼 (83.2%)は LASIK (laser in situ keratomileusis)で、他に 22眼 PRK (photorefractive keratectomy); 4眼 RK (radial keratotomy); 1眼 レーザー角膜熱形成術 (thermokeratoplasty)であった。最も多い自覚症状は、遠方視力障害 (59.0%), グレア glare と夜間視力障害 (43.5%), ドライアイ (21.1%)であった。最も多い合併症は、過矯正 (30.4%), 不正乱視 (29.8%), ドライアイ (29.8%), グレア (26.1%), 夜間運転困難 (16.7%), 角膜混濁 corneal haze(16.7%)であった。眼鏡による矯正視力 0.5未満であった手術眼の原因として最も多いものは、不正乱視 (18眼中 10眼 [55.5%])であった。治療として最も推奨されたものは、非外科的治療や観察であった (68.3%)。推奨された非外科的治療は、粘稠剤(ルブリカント), 涙点プラグ, 眼表面に影響する局所用剤・内服薬, 眼鏡, コンタクトレンズであった。角膜移植 (表層または全層)は 4例 (4眼 [2.5%])ですすめられた。角膜拡張 corneal ectasia 3眼, 不正乱視を伴う重症角膜フラップ合併症 1眼の診断例が含まれていた。9症例 (全眼数中 5.6%) は角膜移植でない手術治療を要した。他の患者では、ウエーブフロント・レーシック手術によるカスタマイズした再手術 wavefront-guided customized retreatment を含む技術進歩を待つことが推奨された。
結論: 屈折矯正手術に伴う合併症が患者の不満になる可能性がある。適切な患者選択, 予防戦略, 迅速な診断と非外科的または手術介入は、合併症治療および患者満足度の改善に有益となる可能性がある。
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