代謝性視神経症
Semin Ophthalmol. 2002 Mar;17(1):29-32.
Metabolic optic neuropathies.
Sadun AA.
Department of Ophthalmology, Doheny Eye Institute, University of Southern California, 1450 San Pablo Street, Los Angeles, CA 90033, USA.
[要約の抄訳]
(1) 両側性・対称性の視力障害を特徴とする。
(2) 中心視力の低下、色覚障害、盲点中心視野欠損、視神経乳頭耳側萎縮、乳頭黄斑神経束の神経線維層の特異的な消失を伴う。
(3) 3つのサブカテゴリーに分類される。
遺伝変性 heredodegenerative:
» レーベル病(遺伝性ミトコンドリア病の1つ. Leber 遺伝性視神経症, Leber's hereditary optic neuropathy)など
栄養障害(欠乏) nutritional deficiencies:
» ビタミンB12, 葉酸など
中毒 toxicities:
» エタンブトール ethambutol, シアン化物 cyanide など
[ビタミンB12欠乏, 葉酸欠乏, エタンブトール中毒, シアン中毒] は後天性のミトコンドリア障害 mitochondrial impairment であり、代謝性視神経症の大部分はミトコンドリア障害に関係している。
アルコール依存症でない葉酸欠乏(症)患者に発症した視神経症
Ophthalmologica. 2002 Jan-Feb;216(1):65-7.
Optic neuropathy from folic acid deficiency without alcohol abuse.
Hsu CT, Miller NR, Wray ML.
Neuro-Ophthalmology Unit, Johns Hopkins Medical Institutions, Baltimore, Md., USA.
[要約の邦訳]
47才, 女性. 2か月前から両眼の視力が進行性に低下した。診断: 両側性球後視神経症. 血清ビタミン B(12)濃度およびヘモグロビン・レベルは正常であったが、血清葉酸値は低下していた。彼女は少量のアルコールを摂取し中等度の喫煙者で、20年余り変わりなかったが、4年前に臨床的うつ病に伴い食事を著しく変更した。タバコとアルコール摂取を変えずに、葉酸の経口摂取と食事改善の治療後、視機能は正常に回復した。栄養性視神経症 nutritional optic neuropathy の一部症例において、葉酸欠乏は重要な原因としての役割があることを本症例は示唆している。
Copyright 2002 S. Karger AG, Basel
[訳者注: 正常血中濃度の参照ページ]
葉酸, FOLA: folic acid
» http://www.okayama-u.ac.jp/user/hos/kensa/sisitu/fola.htm
ビタミンB12, VB12(Vitamin B12), コバラミン, cobalamin
» http://www.okayama-u.ac.jp/user/hos/kensa/sisitu/VB12.htm
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