Lymphogranuloma Venereum LGV は性感染症の1つで、海外では、病名の略称と原因菌名を組み合わせて「LGV chlamydia (クラミジア)」と呼ぶこともあります。A55
近年、西欧でゆっくり伝染拡大しています。また、HIVの感染、伝染のリスクとなるため注目されています。
同義語: クラミジア性リンパ肉芽腫, 性病性リンパ肉芽腫, 鼡(鼠)径リンパ肉芽腫症, 第4性病, デュランド・ニコラ・ファブル (Durand-Nicolas-Favre) 病など。
西欧におけるクラミジア性リンパ肉芽腫の発生
Rev Prat. 2005 Oct 31;55(16):1747-50.
An outbreak of lymphogranuloma venereum in Western Europe
Farhi D, Dupin N.
Service de dermato-venereologie, pavilion Tarnier, hopital Cochin, 75679 Paris.
[要約の邦訳]
クラミジア性リンパ肉芽腫 Lymphogranuloma venereum (LGV) はクラミジア トラコマティス Chlamydia trachomatis 血清型 L1, L2, L3 によって起こる性感染症です。熱帯の風土病であり、先進工業国でほとんど発生しません。2002年以降、直腸 LGVがオランダ、フランスなどの西欧諸国の男性同性愛者に発生しています。2日から 2か月の潜伏期間の後、LGVが発病し病期 3期を来たします: 潰瘍を伴う皮膚の丘疹 ulcerated papule; 衛星状に起こるリンパ節炎 inflammatory satellite lymph node &/or 直腸炎; 慢性炎症性合併症 (瘻孔, 硬化)。クラミジア トラコマティス感染は PCR検査にて確認され、血清型は PCRで増幅した omp1 遺伝子の RFLP法で同定されます。推奨される一次治療は、少なくとも 21日間の抗菌薬 ドキシサイクリン doxycycline 治療です。
[訳者注]
1期: 無痛性のヘルペス様の潰瘍
2期: 有痛性の鼡径部リンパ節炎
3期: 肛門・陰部・直腸症状。病変部には炎症による肛門周囲膿瘍、瘻孔、直腸狭窄などのほか、線維化や肉芽腫が形成されます。
参照ページ:
「Lymphogranuloma Venereum」
» http://www.emedicine.com/EMERG/topic304.htm
「性器クラミジア感染症(Genital Chlamydial Infection)」
» http://wwwsoc.nii.ac.jp/jsb/infect/shikkan/1402seik_1.html
「Rare Chlamydia Strain Infecting Gay Men」
» http://health.yahoo.com/news/143941
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