ブルーマウンテンズ Blue Mountains は、オーストラリア シドニーの西方 約100Kmに位置する都市で、眼疾患に関する世界的に有名な疫学調査 the Blue Mountains Eye Study が継続的に実施されているところです。
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眼圧が上昇しやすい眼所見や緑内障の手術治療歴がなく、薬物治療中でない参加者を対象とした疫学調査結果です。
眼圧に対するカフェインの影響: ブルーマウンテンズ アイ スタディー
J Glaucoma. 2005 Dec;14(6):504-7.
Effects of caffeine on intraocular pressure: the Blue Mountains Eye Study.
Chandrasekaran S, Rochtchina E, Mitchell P.
Centre for Vision Research, Department of Ophthalmology and the Westmead Millennium Institute, the University of Sydney, Australia.
[要約の邦訳]
目的: コーヒー、カフェイン摂取量と眼圧との関連性を調査する。
対象と方法: ブルーマウンテンズ眼研究は、オーストラリア、シドニー西で 49才以上の参加者 3654名を調査した。詳しい病歴問診表には、コーヒーとティーの一日あたりの平均摂取量も含まれていた。目の検査は、Goldmann 圧平式眼圧計と自動視野計も行った。緑内障治療薬を使用中であったり、白内障または緑内障の手術を受けた既往があったり、色素性緑内障/色素散乱症候群 pigment dispersion の所見を有する参加者は除外した。平均および最高眼圧の測定値が用いられた。
結果: 多変量補正後、規則正しくコーヒーを飲んでいると報告した開放隅角緑内障を有する参加者 (19.63 mmHg) はコーヒーを飲んでいないと答えた参加者 (16.84 mmHg)より平均眼圧は有意に高かった (P = 0.03)。年齢、性別、および収縮期血圧 (SBP)による補正後、一日あたりカフェイン 200mg以上を消費する参加者 (19.47 mmHg)は、200mg未満を消費する者 (17.11 mmHg)より平均眼圧は高かった (P= 0.06)。この関連性は多変量補正後には統計的な有意差に至らなかった。高眼圧症 (OH)、および開放隅角緑内障のない参加者では、コーヒーまたはカフェイン消費量と高眼圧との関連性はなかった。
結論: 開放隅角緑内障を呈する参加者において、本研究 the Blue Mountains Eye Studyは、コーヒー消費/高カフェイン摂取と眼圧上昇との関連性 (陽性・断面的 positive cross-sectional)を確認した。
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