三叉神経障害によって起こる角膜障害を栄養障害性角膜炎 (または、角膜症、角膜潰瘍) H168 とよびます。
栄養障害性角膜炎
Ophthalmologe. 2005 Jan;102(1):7-14.
Neurotrophic keratitis
Cursiefen C, Seitz B, Kruse FE.
Augenklinik mit Poliklinik, Friedrich-Alexander Universitat Erlangen-Nurnberg, Erlangen.
[要約の邦訳]
栄養障害性角膜炎は角膜神経支配の減少によって起こる角膜の変性疾患です。外傷、腫瘍、炎症性病変、手術は、三叉神経第一枝の脳幹部から角膜までの全神経路および角膜内での障害をもたらす。角膜神経支配の消失や減少は、涙液層の水相(訳者注: ムチン層、油層、水層[相]の3層の1つ)の減少に至り、神経伝達物質/栄養因子の減少によって上皮の治癒力の低下にも至ります (細胞の分裂と移動の障害)。涙液層欠乏と上皮治癒力の障害の同時存在は、持続性上皮欠損、角膜潰瘍、角膜穿孔を生じやすくします。早期診断と十分な治療によりこの重篤な一連の出来事を予防できる可能性があります。
三叉神経機能低下によって起こりうる角膜上皮の栄養障害性変化の徴候
Klin Monatsbl Augenheilkd. 1988 Feb;192(2):149-53.
Manifestations of possible trophic changes in the corneal epithelium due to decreased trigeminal function
Schimmelpfennig B, Baumgartner A.
Universitat-Augenklinik Zurich.
[要約の抄訳]
栄養障害性角膜変化を6つのケースに基づいて記述した: 1) 糖尿病; 2) 三叉神経痛に対する手術後; 3) 小脳内出血; 4) 感染後三叉神経症; 5) Wallenberg's syndrome ワレンベルク症候群; 6) 網膜剥離に対する輪状締結術。
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