自動車運転手の立体視機能の影響(予備的研究)
Graefes Arch Clin Exp Ophthalmol. 2001 Jul;239(6):400-6.
The relevance of stereopsis for motorists: a pilot study.
Bauer A, Dietz K, Kolling G, Hart W, Schiefer U.
University Eye Hospital Tubingen, Department of Pathophysiology of Vision and Neuro-Ophthalmology, Germany.
自動車運転時における深視力(注:stereoscopic depth perception の意訳)の影響を調査した。立体視機能が低下している斜視患者10名と健常者10名が参加。両群間において、年齢、年間走行距離、免許取得期間、車種に差がないようにマッチングさせた。眼科診察後、4種のテスト走行を行った。
(1)障害物の前で停車 (2)車庫入れ(バックで駐車) (3)S(スラローム)路走行 (4) 車間距離を推測する
すべてのテストは、両眼で見たとき(両眼視)と非優位眼を遮蔽し片眼で見たとき(単眼視)の2方法で行った。結果:S路走行のみ健常群が有意に優れていた。車間距離の推測では、健常群が有意に劣っていた。単眼視と両眼視との距離差は、健常者の停車操作でのみ明らかな差があったが(平均2.5倍)、斜視群では差がなかった。結論:立体視機能は、中間距離における動的な状態でのみ運転に影響した。
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