下記の論文は2000年(掲載時)のクロアチアの現状です。アフリカ諸国、ネパールなどでは、今なおトラコーマが流行しています。日本では現在、性行為感染症 (STD) としてのクラミジア感染症のみが蔓延しています。解説ページ
http://cgi12.plala.or.jp/yamamura/topics/index.cgi?page=31
もご一読ください。
トラコーマ--流行時と流行後の問題点
Lijec Vjesn. 2000 Jul-Aug;122(7-8):187-91.
Trachoma--an endemic and post-endemic problem
Bujger Z, Ekert M.
Klinika za ocne bolesti Medicinskog fakulteta, Klinicki bolnicki centar Zagreb.
トラコーマは、結膜の"ろ胞"増殖および"乳頭"増殖、パンヌス、末期の瘢痕化を特徴とする特異的な慢性角結膜炎です。トラコーマの原因はクラミジア トラコマティス Chlamydia trachomatis (血清型 serovar A, B, Ba and C)とよばれる細菌です。活動性トラコーマの罹患者数は、全世界では 1億4600万人で、590万人が本疾患により失明しています。WHOは2020年迄に、トラコーマによる失明を撲滅するために目標を掲げています(GET 2020 Program)。
病気の重症度判定は、Trachoma Simplified Grading System によって行われています。目標を達成するために、SAFE 戦略が使用されています。SAFE 戦略とは、Surgery for trichiasis (睫毛乱生の手術治療), Antibiotics (抗菌薬), Facial cleanliness (顔を清潔にする) and Environmental improvement (環境改善, 特に上下水道の改善) のことです。
クロアチアでは、トラコーマの流行は過去のことになりました。活動性トラコーマの患者はまれで、誤診したり不適切、不十分な治療を行った患者です。他のクラミジア感染症(眼生殖器の性行為感染症)の最近の流行は、我々をクラミジア感染症の診断、治療法について責任あるアプローチへ向かわせています。
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