新しい自動視野計およびアルゴリズムの有用性について
Ophthalmology. 2002 Dec;109(12):2362-74.
Automated perimetry: a report by the American Academy of Ophthalmology.
Delgado MF, Nguyen NT, Cox TA, Singh K, Lee DA, Dueker DK, Fechtner RD, Juzych MS, Lin SC, Netland PA, Pastor SA, Schuman JS, Samples JR; American Academy of Ophthalmology. Ophthalmic Technology Assessment Committee 2001-2002 Glaucoma Panel.
目的:緑内障を診断したり病気の進行を検出する新しい自動視野計およびアルゴリズムの有効性について総括し、評価する。
方法:1994年から2001年にかけて発表された自動視野計に関する引用文献300編余りの中から71編を選択し、評価対象とした。これら研究から得られたエビデンスの質は、統計学者によって解析された。
結果:SWAPを除いて、以下の検査法やアルゴリズムは、従来の全閾値検査に比べて検査時間を短縮し、患者の検査一貫性をよくする。
【 Short wavelength automated perimetry SWAP 】
スタンダード閾値自動視野計より早期に視野欠損を検出した。感度 88%、特異性 92%。しかしながら、スタンダード閾値自動視野計に比べて、検査時間が長いデマンド型検査で、眼内透光体の混濁による影響を受けやすく、経時的な検査での変動幅 (long-term fluctuation) が大きく、よって病気の進行度を正確に評価することは困難である。
【 frequency doubling technology perimetry FDT 】
中等度および進行した緑内障の検出に関しては、感度・特異性ともに97%以上と優れていた。早期緑内障では、感度 85%, 特異性 90% であった。本検査は検査時間も短く、かすみや瞳孔サイズによる影響も少ないので、有用なスクリーニング装置かもしれない。
【 high-pass resolution perimetry HPRP 】
縦断的研究にて、対象患者の54%において、中央値 12ヶ月より早く視野異常の進行を検出し、スタンダード閾値自動視野計に比べて進行性視野欠損のモニターにより有効であった。
【 Motion automated perimetry MAP 】
縦断的研究にて、早期の緑内障視野欠損の検出に有用であることがわかった。
【 アルゴリズム: Swedish interactive threshold algorithm SITA 】
スタンダード全閾値検査に比べて、感度、再現性に優れ、検査毎の変動率は少なかった。また、検査時間は 50%短縮された。スタンダード全閾値、SITA、SITA fastの3つのアルゴリズムを比較した研究では、感度は前2者で 95%、SITA fastで93% であった。緑内障進行の検出度を評価するために、長期経過を観察した研究が必要である。
(ここまで)
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frequency doubling technology perimetry (FDT) 「ハンフリー FDT スクリーナー」については、
http://www.cisnet.or.jp/~fujiwara/examine/kiki/about_fdt.html
などを参照して下さい。
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