· サリドマイド (一般名 thalidomide, 商品名 Thalomid, Thalidomide Pharmion)
リスク分類「X」
米国食品医薬品局 FDA などの公式発表を検索するまでもなく、過去のサリドマイド事件や S.T.E.P.S. 記載内容のように、明らかに妊婦に対する絶対禁忌薬です。
THALOMID® (thalidomide) history:
» http://www.thalomid.com/thalomid_history.aspx
S.T.E.P.S. (ステップス)とは?
http://www.steps-info.com/
System for Thalidomide Education and Prescribing Safety(サリドマイド教育と安全な処方のためのシステム)
サリドマイド (商品名 Thalomid) を販売する Celgene社 Celgene Corporation Warren, NJ 07059 が作成した薬剤情報です。英文ですが、詳細な情報が以前から公開されています。
医療提供者は、PDF ファイル (82KB)
http://www.steps-info.com/Thalomid_Pl.pdf
必読です。日本では、このような形式の情報開示前に、「希少疾病用医薬品」として再販が開始されそうです。
S.T.E.P.S.の文書を一部抜粋し、邦訳しました。
[胎児へのリスクおよび避妊期間]
妊娠中、妊娠前に一錠 (50mg) のサリドマイドであっても内服すると、胎児に重篤な奇形、胎児死、死産を来たします。
「妊娠前」とは、繰り返し記述されていますが、 (少なくとも) サリドマイド投与4週前です。投薬4週前から完全な避妊を行う必要があります。
さらに、妊娠可能な女性であれば、妊娠テスト (本検査法の感度として 50 mIU/mLであれば判るもの)を、(1回目)投薬開始 24時間以内、(2-5回目)治療開始後4週間は毎週、(6回目-)その後4週毎 (月経が順調な女性)、2週毎 (月経不順な女性) に受けなければなりません。
治療終了後も、4週間は完全な避妊を行います。
妊娠が確認されたら、直ちにサリドマイドを中止し、薬剤毒性についての経験のある産婦人科医に相談します。
サリドマイドは精液中にも検出されますので、生殖可能なパートナーとの性交渉では、必ずラテックス性コンドームを使用します。サリドマイド服用中の男性の精液が、胎児に及ぼすリスクは不明です。
胎児への暴露が疑われたとき、MedWatch や製薬会社 ( S.T.E.P.S では Celgene社 ) を経由し、直ちに FDA に報告されなければなりません (米国の場合)。
[授 乳]
サリドマイドがヒト乳汁に分泌されるか不明です。乳児に対して重篤な副作用を来たす可能性がありますので、授乳を中止するか、母体のサリドマイド治療を中止するか、治療の重要性を考慮しつつ、判断しなければなりません。
[ご参考まで]
カテゴリ「A-X」については、
http://category.xrea.cc/drugs/000001.html
のリンク先でご確認下さい。
FDA: A, B, C, D, X
TGA: A, B1, B2, B3, C, D, X
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