米国食品医薬品局 FDA の評価と解説(日本語訳)をお知らせいたします。
■ エタンブトール ethambutol(商品名 エサンブトール錠, エブトール錠 など)
結核治療薬の1つ。副作用として、視力・色覚障害、肝障害がよく知られています。
リスク分類「B」
生殖期の動物による対照化試験(controlled studies)では、動物胎児にリスクはありません。妊婦を対象とした充分な対照化臨床試験はありません。
【胎児へのリスク】
ヒト胎盤を通過します。ヒトに関するデータは少ないのですが、先天異常との関連性を指摘した報告はありません。
【授 乳】
乳汁中に分泌されますが、授乳は安全です。
■ イソニアジド isoniazid INH(商品名 イスコチン錠, スミフォン錠 など)
他の結核治療薬と併用します。単剤投与は結核の予防目的となります。副作用として、ビタミン B6 欠乏がよく知られています。末梢神経炎の発生予防のため、ビタミンB6 製剤を併用します。
リスク分類「C」
動物実験では、胎児への副作用や毒性が見られました。妊婦を対象とした充分な対照化臨床試験はありません。本剤は、胎児などに対するリスクよりも治療上の有益性が上回るときのみ使用すべきです。
【胎児へのリスク】
ヒト胎盤を通過します。妊娠初期では多指症との関連性があります。イソニアジドは悪性中皮腫を来たす薬品として、子宮内で本剤に曝露した子どもにおける発がん性が指摘されています (注1)。新生児の出血性疾患と母親のイソニアジド治療との関連性が指摘されています。
【授 乳】
乳汁中に分泌されます。授乳は安全ですが、乳児に神経炎と肝炎の所見・症状が現れないか観察すべきです。
注1: http://www.fda.gov/medwatch/SAFETY/LABEL/aug96.htm
Carcinogenesis and Mutagenesis: Isoniazid has been shown (replaces "reported") to induce pulmonary tumors in a number of strains of mice. Isoniazid has not been shown to be carcinogenic in humans. (Note: a diagnosis of mesothelioma in a child with prenatal exposure to isoniazid and no other apparent risk factors has been reported). Isoniazid has been found to be weakly mutagenic in strains TA 100 and TA 1535 of Salmonella typhimurium (Ames assay) without metabolic activation.
カテゴリ「A-X」については、
http://category.xrea.cc/drugs/000001.html
のリンク先でご確認下さい。
FDA: A, B, C, D, X
TGA: A, B1, B2, B3, C, D, X
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