小児の弱視スクリーニング検査 (コクラン・レビュー)
Screening for amblyopia in childhood (Cochrane Review).
Powell C, Porooshani H, Bohorquez MC, Richardson S.
The Cochrane Database of Systematic Reviews 2005, Issue 3. Art. No.: CD005020.pub2. DOI: 10.1002/14651858.CD005020.pub2.
http://www.update-software.com/Abstracts/AB005020.htm
最終更新日: 12 May 2005.
[要約 (抄訳)]
背景: 弱視とは、視覚の発達途中で感受性のある時期に治療しなければならない可逆性視力低下である。スクリーニング・プログラムは、このほとんど無症状である状態を発見し、視力改善可能なときに治療目的で子どもを医療機関に紹介するために行われてきた。このようなプログラムの価値や対象者を管理する上での最適プロトコルは、依然として議論がある。
目的: 弱視の有病率を減らす視力スクリーニング法の有効性を評価する。
検索戦略: (原文参照のこと) 言語による制約はなかった。手作業による検索 handsearch は行わなかった。
選択基準: スクリーニングした対象者とスクリーニングしなかった対象者の弱視の発生頻度を比較したランダム化対照試験 randomised controlled trials およびクラスタ・ランダム化試験 cluster-randomised trials のデータを解析する。
データ収集と解析: 検索 electronic searches で得られた研究要約について、著者 2名が別々に評価した。該当した研究論文の全文コピーを入手し、必要あれば、著者が連絡をとった。解析に利用できるデータはなく、メタ解析は行なわれなかった。
主な結果: 視力スクリーニングに関して膨大な論文があったにもかかわらず、スクリーニングした対象者とスクリーニングしなかった対象者の弱視の発生頻度を比較した試験はなかった。現在、試験準備中のデータについては、レビューのアップデートの際に利用できる可能性がある。
著者結論: ランダム化対照試験のデータがないため、弱視の有病率に対する現在のスクリーニング・プログラムの効果を解析することは困難である。エビデンスがないからといって、単に、今までしっかりした試験で調査されていなかったとか、視力スクリーニングは有益ではない、という意味に捉えることはできない。このような試験を促進するために、年齢に相応しい視覚テストの基準データ値を利用できるようにしたり、弱視の定義に関するコンセンサスが必要である。さらに、未治療の弱視状態で生活するときの障害を定量化し、費用便益分析 cost-benefit analysis を行わなければならない。
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