学校で視力検査を行うことにメリットはありますか ?、デメリットはないですか ?
これまで (1966年8月以降)に電子化された検索可能なデータの中には、ランダム化対照試験がなかったため、エビデンスは不明である。
[典拠 : コクラン・レビュー 抄訳]
学齢期の子どもと青少年を対象とした、矯正可能な視力低下を発見するためのスクリーニング検査 (コクラン・レビュー)
Screening for correctable visual acuity deficits in school-age children and adolescents (Cochrane Review).
Powell C, Wedner S, Richardson S.
The Cochrane Database of Systematic Reviews 2004, Issue 4. Art. No.: CD005023.pub2. DOI: 10.1002/14651858.CD005023.pub2.
http://www.update-software.com/Abstracts/AB005023.htm
最終更新日: 24 August 2004
背景: 視力スクリーニング検査は直感的には有益のように思えるが、小中学校でこのようなプログラムを行う価値については疑問視されていた。さらに、スクリーニングを行う最適な年齢や検査頻度についても不透明である。
目的: 学齢期の子どもの中で視力矯正は可能であるが、屈折異常が発見されていない子どもを減らすために視力スクリーニング・プログラムを実施したときの効果を評価する。
検索戦略: [原文参照のこと] 検索に際して、言語や日付による制約はなかった。手作業での調査はできなかったが、将来のアップデートではデータに含みたい。
選択基準: ランダム化対照試験。ランダム化クラスター対照試験 randomised cluster controlled trials (訳者注 1)を含む。
データ収集と解析: 2人のレビューア reviewer が各々、電子化された検索方法によって発見できた研究要約を評価した。基準に該当する試験はなかった。
主要な結果: 該当する臨床試験はなく、分析できなかった。他に検索できた研究を物語のように合成する方法が現在の習慣を説明するために用いられていた。
著者の結論: 現時点では、学校での視力スクリーニングの利点について測定しうる確固とした試験はなかった。視力低下のまま学校に出席すると不利なことも定量化する必要がある。スクリーニング・プログラムの効果は、地理的、社会経済的な環境に依存するでしょうから、いろいろな環境や設定で、視力スクリーニングの利点と有害性に関して計測できるよう十分に計画されたランダム化対照試験が必要である。
[訳者注 1] クラスタ・ランダム化試験 cluster randomized trial
スペースアルク「英辞郎検索」
http://www.alc.co.jp/index.html
「ランダム化試験において症例割り付けを個人単位でなく施設・月などの集団で行う方法であり、症例 (登録)後、直ちに割り付けを必要とする場合に有効と考えられている。」
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