正常眼圧緑内障に対するインターベンション (コクラン・レビュー)
Interventions for normal tension glaucoma.
Sycha T, Vass C, Findl O, Bauer P, Groke I, Schmetterer L, Eichler H. The Cochrane Database of Systematic Reviews 2003, Issue 1. Art. No.: CD002222. DOI: 10.1002/14651858.CD002222.
http://www.update-software.com/Abstracts/AB002222.htm
最終更新: 08 October 2002
[要約の抄訳]
背景: 正常眼圧緑内障は、視神経が病的に陥凹し、視野が障害される臨床状態である。眼圧が本疾患の視野欠損進行に関与すると言われているが、他の因子、主に血管因子も同様に議論されてきた。
目的: 正常眼圧緑内障に対する内科的および外科的治療の効果を評価する。
検索戦略: [一部邦訳省略(コクラン・レビューで行われる一般的な方法)] に加えて研究者や製薬会社にも連絡した。最終検索日: January 2001
選択基準: 正常眼圧緑内障症例を対象として行われた無作為対照化試験のうち、内科的ないし外科的介入について未治療、プラセボー、他の治療法と比較したもの。
データ収集と解析: 2名のレビューア reviewer がデータを抽出し、矛盾点は協議した[一部邦訳省略]。
主な結果: 視野欠損に関する選択基準に順じて、8件の研究が本レビューに含まれた。 3件の研究のみ患者に関する結果に焦点が合わされていた。臨床試験 1件で、眼圧を低下させることの有益性が発見されたが、白内障進行のためデータを修正した場合のみであった。小規模対象の研究 2件で、カルシウム拮抗薬 brovincamine (訳者注 1) が視野欠損に対して有益であると報告された。
著者の結論: 眼圧を低下させる治療は、1件の研究において白内障進行のためデータを修正した場合のみ、視野結果に対して有意な効果があった。カルシウム拮抗薬についての結果は有望であるが、大規模な臨床試験が行われるべきである。眼圧降下や血行動態の変数に焦点を合わせた研究は、必ずしも正常眼圧緑内障患者の結果に関連しているとはいえない。
[訳者注 1] フマル酸ブロビンカミン
brovincamine fumarate
参照文献 J Glaucoma. 1999 Apr;8(2):117-23.
Effects of oral brovincamine on visual field damage in patients with normal-tension glaucoma with low-normal intraocular pressure.
Koseki N, Araie M, Yamagami J, Shirato S, Yamamoto S.
Department of Ophthalmology, University of Tokyo School of Medicine, Japan.
http://www.igaku-shoin.co.jp/nwsppr/n1996dir/n2199dir/n2199_01.htm
第100回日本眼科学会総会の特別講演の要旨を掲載した週刊医学界新聞記事
脳循環改善薬サブロミン投与群と非投与群の視野を観察したところ,前者で有意に視野悪化が少なかったが,両群間で経過中眼圧には差がなかったので,何らかの循環障害がNTG進行に関与していることが考えられる
ただし、上記薬品は、平成11年 1月29日付厚生省告示第7号にて再評価指定を受けた脳循環代謝改善剤ですが、メーカーが再評価申請を行わなかったため、現在、薬価削除、回収されているようです。
商品名: サブロミン, アトラミオン, サビンカシン, ザブロン, トーブロミン
http://www.kumayaku.or.jp/kpa/DINews/cva-kaisyu.htm
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