Susac (または SICRET) 症候群 syndromeについては、エントリー
http://www.qqiac.com/archives/000037.html
をご覧下さい。
網膜中心静脈閉塞症と突発性難聴: 考えられる共通の病因
Eur J Ophthalmol. 2001 Apr-Jun;11(2):197-9.
Central retinal vein occlusion and sudden deafness: a possible common pathogenesis.
Glacet-Bernard A, Roquet W, Coste A, Peynegre R, Coscas G, Soubrane G.
University Eye Clinic of Creteil, University of Paris XII, Creteil, France.
[要約の邦訳]
症例報告: 31才、女性。かん流の良好なタイプの網膜中心静脈閉塞症 (CRVO) により右眼の視力低下を来たし、2ヶ月後に右耳の突発性難聴 (SD) となりました。視力と聴力は数ヶ月後にほぼ完全に回復しました。内科的検査により、血漿の過粘稠度を伴う凝固能亢進 (protein S の中等度減少、lipoprotein (a)の軽度増加) とフィブリノーゲン増加がみられました。
考案: CRVO に続く SDの発症は、同じ基礎状態が両疾患のリスク因子と考えられ、網膜と蝸牛 cochlea 内の急性の微小血液循環障害の病因として、いくつかの類似点があることを意味しています。
突発性難聴患者の眼科的所見
Ophthalmologe. 1996 Aug;93(4):433-9.
Ophthalmologic findings in patients with sudden deafness
Erb C, Preyer S, Thiel HJ.
Universitats-Augenklinik, Tubingen.
[要約の邦訳]
突発性難聴の原因は未だ不明です。他の病理学的機序の中で、血管障害が原因として提唱されています。突発性難聴を有する患者の微小循環障害所見を調査しました。症例: 31症例 (男性 15例, 女性 16例, 平均年齢 37.5才) は突発性難聴のため入院となりました。全症例に対して眼科的検査を行いました。
結果: 屈折度数、視力、眼圧、視神経乳頭陥凹については、正常でした。全症例中、81%に結膜血管の異常拡張が見られました。53%の症例の眼底には網膜動脈の軽度蛇行がありました。最初の 11症例は眼部の電気生理学的な検査を受けましたが、ERG, P-VEP, 暗順応検査ともに正常でした。標準的な視野検査 (TAP 2000 ct) は 29例では異常なく、緑内障患者 2例は小さな弓状暗点を呈しました。しかし、暗点が検出されなかった 29例中、90%の症例は white-noise campimetry (TEC, Oculus) 検査にて異常でした。色覚検査 (Roth 28 HUE, desat.) では、異常な高値を呈しました(右 120, 左 131)。
結論: 突発性難聴を来たした患者は通常の眼科的検査では正常でしたが、より高感度の検査 (white-noise campimetry, 色覚) 結果、結膜血管の拡張、網膜動脈の蛇行所見から、微小循環障害が示唆されました。
[訳者注] 検査法: White Noise Field Campimetry (Aulhorn's snow field campimetry)
参照ページ http://webeye.ophth.uiowa.edu/ips/perimetryhistory/White_Noise_Field_Campimetry.htm
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