米国食品医薬品局FDAの評価と解説(日本語訳)をお知らせいたします。
■ エタノール(飲用アルコール) (飲用アルコール)
注意: 臨床では、鎮静剤として使用されることがあります
リスク分類「D* 」
ヒト胎児へのリスクがあります。
胎児へのリスクがあっても、妊婦が重篤な病気に罹患していたり、生命を脅かされた状態のときなど、母体にとって有益であれば、本剤使用が正当化されるかもしれません。
大量長期使用では、リスク分類「X」です。
【胎児へのリスク】
アルコール換算一日30cc以上を続けると、胎児アルコール症候群(FAS)を来たします。
頭蓋顔面、中枢神経系、腎生殖器系、皮膚、心臓、筋骨格系の欠損や出産前・出産後の発育遅滞が起こります。
アルコール消費は流産の頻度を増加させます。
妊娠初期の大量アルコール飲酒は胃壁破裂との関連性が指摘されています。
アルコール飲酒と子供の染色体異常との関連性については疑いがあります。
妊婦の飲酒により、胎児が無呼吸となったり、胎動が減少したり、心拍の変動がなくなったりすることはありますが、アルコールにより胎児の肺組織の発達は促進されますので、呼吸窮(促)迫症候群の頻度は低下します。
母体が慢性的に飲酒を続けると、新生児の離脱症候群を来たします。
【授 乳】
乳汁中への分泌と母親の大量摂取は、乳児の精神運動発達に影響するかもしれません。偽クッシング症候群、低プロトロンビン血症による出血が副作用として出現することがありますが、一般的には授乳はできます。
カテゴリ「A-X」については、
http://doc.s73.xrea.com/category/drugs/2004/08/coeee.html
のリンク先でご確認下さい。
FDA: A, B, C, D, X
TGA: A, B1, B2, B3, C, D, X
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