サルコイドーシスによる Heerfordt 症候群の熱型は、一般的には持続性の微熱です。
Nippon Rinsho. 2002 Sep;60(9):1822-6.
Heerfordt syndrome
Takahashi N, Horie T.
First Department of Internal Medicine, Nihon University School of Medicine.
Heerfordt症候群は、発熱、ぶどう膜炎、耳下腺腫脹、顔面神経麻痺を特徴とし、2000年までに日本では53症例の報告がある。ほとんどの症例は20~40才であり、女性の方が多い。確定診断のために、サルコイドーシスの病理組織診断が必要で、その他にガリウムシンチググラフィによる眼部、耳下腺、肺門部のガリウム集積像が診断に役立つ。プレドニゾロンによる薬物治療は、特に顔面神経麻痺の際に必要となる。
Sarcoidosis Vasc Diffuse Lung Dis. 2000 Mar;17(1):27-32.
Parotid gland sarcoidosis.
James DG, Sharma OP.
Royal Free Hospital, London, UK.
耳下腺サルコイドーシスは全症例の6%に発生します。自験例では、両側性24症例 (73%) で、僅かに女性例が多く、大多数は20代から40代の年齢でした。他の全身組織、特に胸郭内、末梢リンパ節腫脹、ぶどう膜炎、涙腺腫脹、皮膚病変などに広範にみられました。病変部位のパターンはHeerfordt症候群としての診断上、特異的かもしれない。本報告にて、鑑別診断、画像診断、生検法、治療法に言及します。
Sarcoidosis Vasc Diffuse Lung Dis. 1997 Sep;14(2):115-20.
Differential diagnosis of facial nerve palsy.
James DG.
Royal Free Hospital, London, UK.
顔面神経麻痺はサルコイドーシスにみられる神経学的所見の中で最も多い。両側、片側は同数で、左側、右側も同数である。若年成人が両側顔面神経麻痺を来たしたとき、サルコイドーシスが最も多い原因である。眼部病変を伴った 147症例の自験例中、顔面神経麻痺は12%にみられ、耳下腺腫脹は10%にみられた。顔面神経麻痺は80%の症例で完全回復した。口腔顔面領域の肉芽腫症では、顔面神経麻痺は再発しやすいが、本症では再発しない。鑑別診断の対象疾患は多く (表 1), 充分な検査が必要である。治療法など解説する。
最近のコメント