眼瞼壊死と眼窩周囲壊死性筋膜炎. 症例報告と文献レビュー
Ophthalmology. 1991 Jan;98(1):92-8.
Eyelid necrosis and periorbital necrotizing fasciitis. Report of a case and review of the literature.
Kronish JW, McLeish WM.
Department of Ophthalmology, Bascom Palmer Eye Institute, University of Miami School of Medicine, FL 33101.
[要約の邦訳]
壊死性筋膜炎は稀ではありますが、皮膚の壊疽、化膿性筋膜炎、血管内血栓を特徴とする重篤な軟部組織感染症です。本疾患は通常、糖尿病やアルコール依存症などの全身的な問題を有する患者にみられ、一般的に外傷が先行します。化膿レンサ球菌 Streptococcus pyogenes と黄色ぶどう球菌 Staphylococcus aureus が最も多い起炎菌ですが、多種の通性嫌気性細菌が同時検出されることもあります。顔面や眼周囲領域の感染はまれです。眼窩周囲壊死性筋膜炎から眼瞼壊死に進展した症例について、以前に記述された他 15症例の臨床像のレビューと自験例 1例を報告します。壊死組織の早期外科的創面切除 (debridement 仏:デブリードマン)と排膿、および適切な非経口的抗菌薬投与が治療の柱です。眼窩周囲に波及した患者の死亡率は 12.5% で、予後は診断と治療の遅れによる悪影響として知られていたり、顔面から頚部への感染症の拡大を伴ったりします。皮膚移植による眼瞼再建術は瘢痕性眼瞼退縮、眼瞼位置異常、兎眼などの合併症を回避するために、ほとんどの症例において必要でした。
参照ページ: 化膿レンサ球菌感染症
» http://wwwsoc.nii.ac.jp/jsb/infect/shikkan/4401rens_3.html
化膿連鎖球菌 Streptococcus pyogenes, S pyogenes (別称: A 群ベータ溶血性連鎖球菌 Group A beta-hemolytic Streptococcus) は、他に猩紅熱, 伝染性膿痂疹(とびひ) impetigo contagiosa, 咽頭炎,丹毒などの起炎菌です。
[他の文献]
元来健康な小児の感染例: 非常に稀ではありますが、本菌により眼瞼壊死を来たした小児例 2症例の報告があります。
Can J Ophthalmol. 1991 Dec;26(7):386-90.
Streptococcal lid necrosis in previously healthy children.
Stone L, Codere F, Ma SA.
Department of Ophthalmology, McGill University, Montreal, PQ.
[要約の邦訳] 省略します。
最近のコメント