慢性中心性漿液性網脈絡膜症に対して注射薬ベルテポルフィンを使用する光線力学的療法の有用性を報告した数編の医学論文はありますが、予備的研究や少数例の症例報告であり、ランダム化比較臨床試験は現時点(2005/10/16)では発見できません。
エントリー「特発性中心性漿液性網脈絡膜症と視力低下因子」
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エントリー「加齢黄斑変性(症)に対するVerteporfin治療」
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キーワード:
慢性中心性漿液性網脈絡膜症 chronic CSC
光線力学的療法 photodynamic therapy PDT
インドシアニングリーン眼底造影ガイド下ベルテポルフィン光線力学的療法 Indocyanine green angiography-guided PDT with verteporfin, PDT with ICG guidance
ベルテポルフィン verteporfin
Retina. 2003 Jun;23(3):288-98.
Indocyanine green angiography-guided photodynamic therapy for treatment of chronic central serous chorioretinopathy: a pilot study.
Yannuzzi LA, Slakter JS, Gross NE, Spaide RF, Costa DL, Huang SJ, Klancnik JM Jr, Aizman A.
LuEsther T. Mertz Retinal Research Center, Manhattan Eye, Ear, and Throat Hospital, New York, New York 10021, USA.
[続報が発表された時点で要約の邦訳を予定しています]
慢性中心性漿液性網脈絡膜症: 光線力学的療法
Am J Ophthalmol. 2004 Jun;137(6):1073-80.
Chronic central serous chorioretinopathy: photodynamic therapy.
Taban M, Boyer DS, Thomas EL, Taban M.
Retina-Vitreous Associates, Los Angeles, California, USA.
[要約の邦訳]
目的: 光干渉断層計とフルオレセイン眼底造影法を使用し、慢性中心性漿液性網脈絡膜症に対する光線力学療法の有効性を提示すること
研究デザイン: 一連の症例の介入研究
方法: 慢性中心性漿液性網脈絡膜症 4症例 (5眼)の実際の臨床診療における後向き研究。verteporfin 光線力学的療法による治療を行い、平均10か月の期間、光干渉断層計 optical coherence tomography(訳者注: OCTと略称します)とフルオレセイン眼底造影法による評価を行った。
結果: 治療前 OCTに比べて、漏出停止に伴う網膜下液貯留と漿液性剥離の急速な減少が治療眼 5眼に見られた。特に病初期に良好な視力であった患者において、著明な視力改善もみられた。しかしながら、色素性変化は持続した。
結論: verteporfin を使う光線力学的療法により、慢性中心性漿液性網脈絡膜症患者の液漏出、網膜下液貯留、漿液性剥離は減少し、結果的に視力は改善し、有益な効果があるように、一連のOCT検査が明らかにした。もし、光線力学的療法を病気のより早期に行うと、もっと良い視力成績を期待できる。
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